感謝の反対は?

私は、よく人に「どんなに優れた武将も、政治家も、経営者も、病気にかかってしまったら、やりたいことができなくなるから、きちんと健康診断を受けた方がいいよ」と言っています。
たまに、「健康診断は何年も受けていない」と自慢気に話している人がいますが、聞いていてひやひやします。
私の父は43歳で急逝しました。胃がんです。入院後、わずか1カ月でした。そのこともあって、私は20代から、胃の検査はレントゲンではなく胃カメラで診てもらっています。大腸がん検査もずっと続けています。
今、検査のレベルはかなり上がっており、自分で自分の命を守れる確率も上がっています。それに相反して、検査に伴う苦痛のレベルは大きく下がっていますから、私は何かにつけて人に受診を勧めています。
もう一つ、似たようなたとえで、よく人に話していることがあります。それは、「どんなに優れた武将も、政治家も、経営者も、人に嫉妬されると、災いが降りかかってくるから、嫉妬されないように気を付けた方がいいよ」という話です。

株式会社沖縄教育出版さんは、健康食品・自然派化粧品の企画、通信販売の会社ですが、感動を売る通販会社として有名です。ここの代表取締役会長で先日お亡くなりになった故・川畑保夫さんには嫉妬の怖さについて教えていただいたことがあります。
「中澤君、感謝の反対語は何だと思う?」
私はこの問いに、即答できませんでした。すると、川畑会長はこのように教えてくださいました。
「嫉妬だよ。感謝はすればするほど、自分も相手も幸せになれるけど、嫉妬は、すればするほど、自分も相手もしんどくなるだけでなく全てを破壊してしまうんだ」
いろいろ歴史や政治の本を見ていると、ささいなことで人の嫉妬をかって、攻撃されたり、失脚を狙われたり、果ては命を狙われたりしたという話を散見します。経営者についても同じで、本人にそのつもりがなくても、相手の嫉妬をかったことで、不幸な運命をたどったという話を聞いたことがあります。
その点、私の父は、大変腰が低い人でした。ある意味で若いころの豊臣秀吉のような人です。とにかくよく飲んで、楽しく場を盛り上げるのが大好きで、接待する相手はもちろん、お料理を運んでくれる人までも巻き込んで、同じように接し、皆を笑顔にすることを心がけていました。父は、皆から「中澤さんと飲んだら楽しいね、面白いね」と言われていました。
父は、大変気づかいができる人でしたが、見方を変えれば、嫉妬されないように心を配っていたともいえます。
父の教訓もあって、「ええ格好をしたらいかん」「威張ったらいかん」「自慢したらいかん」「上から目線で見たらいかん」という戒めは、若いころからずっともっていました。私は、あまり人から称賛されることがありませんが、称賛されるのが苦手な理由は、不用意に嫉妬をかうのをさけたかったということもあります。

四国管財では、行動指針をまとめた「四国管財ベーシック」をつくりました。その10番目は「接する人に均等に」という項目で、「年齢・性別・肩書によって言葉遣いや態度を変えること無く、当初の謙虚な気持ちや対応を忘れず均等に接していきましょう。」と定めています。
会社のトップと話す口調と、一般社員さんと話す口調が違うということは、人によって態度を変えていることの表れであり、この公平さを欠く行為や態度も嫉妬を引き起こす原因となります。
嫉妬は要らぬ災いを呼びますので、そうならないために、常に、謙虚な気持ちや態度を忘れず、誰にでも同じように接することを心がけています。
とはいえ、まだまだ全くできておらず、考えなしに話すと、つい自分のやってきたことを自慢気に話してしまう時があります。その時は、すぐ「いかん、いかん」と自分を戒めています。
私は、車好きなので、カッコいい車、高性能の車に強く憧れてきましたので、深い意味なく高級外車に乗っていたこともありましたが、特に社長になってからは、なるべく目立たないようにずっと軽自動車に乗ってきました。
軽自動車でゴルフにもよく行きました。トランクルームにゴルフバッグが入りませんから、助手席にゴルフバッグを置いてゴルフ場に行ったものです。今もトヨタの小型車「タンク」です。非常に便利で、快適で、動きがよくて満足しています。
プライベートでは35年ぶりにセダンを購入しました。兵庫県に住む娘の所にいくのに流石にタンクでは怖くて疲れますので
人の目を意識しすぎて、窮屈ではないかと思われるかもしれませんが、私は、人に嫉妬させないようにすることは、自分を守るだけでなく、相手も守ってあげることになると思っていますので、むしろ心は晴れ晴れとして、穏やかになります。嫉妬は、される人よりも、する人の方がもっとしんどいものです。