伝説のカクテル降臨

お待たせいたしました! まもなく三翠園のオリジナルカクテルのご提供を開始いたします。このカクテルは、高知県出身のバーテンダーの高橋直美さんにお願いして、三翠園のために創作していただいたオリジナルカクテルです。高橋さんは、第39回「全国バーテンダー技能競技大会」で総合優勝、チェコ・プラハで開催された「I.B.A.ワールドカクテルチャンピオンシップ2013」ビフォア ディナー カクテル部門で優勝された世界一のバーテンダーさんで、日本人女性として初の快挙を成し遂げられた方です。
三翠園では、この素晴らしいオリジナルカクテルを宴会のウエルカムドリンクやブライダルなど、さまざまなシーンでご提供していきたいと思います。
オリジナルカクテルの発表から、大変時間がかかってしまいましたが、その理由は高橋さんに考案していただいたカクテルを正確に再現するのが非常に難しかったからです。知れば知るほど、このカクテルは非常によく考えられていて、奥深く、カクテルそのものが伝説といってもいいようなカクテルでした。中途半端なコピーは許されないと思い、スタッフみんなで真剣に鍛錬を重ねてきました。

高橋さんとは、私の家の隣が高橋さんのご実家というご縁があります。とはいえ、ほとんどお話ししたこともなく、どうしたものか思案にくれていました。たまたま、私の中学校の同級生が高知で老舗バー「D.A」を40年近く営んでおり、この業界ではカリスマになっていましたので彼に相談したところ、彼から高橋さんにつないでいただくことができました。
このカクテルには三つの思いが込められています。ここ高知は、土佐藩山内家のご領地であり、その初代藩主の山内一豊(やまうちかつとよ)さんと妻の千代さんは大変仲が良く、千代さんは内助の功で支えたことで有名です。そこで、一つの思いは、そのお二人にちなんで、三翠園を訪れてくださったご夫婦や恋人たちが、幸せになれるようなカクテルにしたいという思いです。
もう一つの思いは、三翠園の名前の由来にもなっている三つの緑です。土佐藩主山内家歴代の墓所がある「筆山」の緑、そして三翠園の前に流れている平成の名水百選にも選ばれた「鏡川」の緑、そして三翠園の広大な敷地にある「日本庭園」の緑です。この三つの緑を象徴するようなカクテルにしたいという思いです。
もう一つの思いは夢実現です。ここ高知は、岩崎彌太郎さんや、坂本龍馬さんを筆頭に、多くの偉人を輩出していることでも有名です。聞いた話によると、明治維新までは、夢というものは寝ているときに見るものだと思われていたそうです。「こうなりたい」とか、「こんな世の中にしたい」という願望を「夢」とはいわなかったそうです。その夢の概念を変えたのが坂本龍馬さんだといいます。
「人として生まれたからには、太平洋のように、でっかい夢を持つべきだ」(「竜馬がゆく」 司馬遼太郎)
「将来こんなことをしたい」「こんな世の中をつくるんだ」という大望を抱いた若者や経営者の方に、ぜひ高知に来ていただいて、坂本龍馬ゆかりの夢実現カクテルを飲んでいただけたら最高だなあと思いました。

しかし、高橋直美さんが創作してくださった三つのオリジナルカクテルを素人の私たちが再現するのは容易なことではありませんでした。
そこで、またもや老舗バー「D.A」のマスターの中町さんにお願いすることにしました。彼に何回も三翠園に来ていただいて、「ビルド」(注いで混ぜる)、「ステア」(マドラーなどでかき混ぜる)、「シェイク」(シェーカーに材料を注いでシェイクする)、「ブレンド」(ミキサーで材料をかき混ぜる)の基本から、すべて教えていただきました。幸いなことに、オリジナルカクテルを担当するスタッフたちは、困難に対して前向きで、「無理です」とか「できません」などと弱音を吐くことはありません。黙々と自主練習を重ね、挑戦し続けてくださいました。
ようやく準備万端整い、あとは料金設定という段階まできました。私は、これで十分満足でしたが、「D.A」のマスターの中町さんは満足しません。「高知県には地元特産のリキュールが50種類あるよ」「その50種類を全てこのバーでご提供できたら話題になるんじゃないか」と、何とも訳のわからないすごい構想を抱き、どんどん盛り上がってくださいました。
私としては「えー、いくらなんでもちょっとそこまでは・・・」と思ったのですが、彼の構想は際限なく膨らんでいって、「どうせなら、全種類のリキュールを売店でも販売したらどうや」「50種類のリキュールを、一つの店でご提供できるのは、間違いなく高知県ではここしかない。日本でも無い これはすごい特色になる」と言うのです。「観光客の方がお土産として買ってくださるだけでなく、わざわざ高知の方が三翠園に買いに来てくださるようなショップにもできる」と興奮されていました。そしてお酒の提供は山崎猛商店の社長さんが大協力をしてくださいました。
今まで三翠園のバーは、団体お客様がカラオケを歌いに来る場所でした。しかし、「これからは、県内のお客さまが2次会でわざわざ三翠園のバーを使ってくださるようになる、そんなことができるのではないか」と中町さんは熱く語ってくれました。
最初、「鳩が豆鉄砲を食ったよう」な感じでしたが、彼とスタッフの熱意に押し切られました。というのも、奇跡的に、うちのスタッフにバーテンダー経験者がいて、彼が粘り強くコツコツ進めてくださったからです。
みんなのおかげで、夢を大きく膨らませることができました。本当に夢は諦めなければ叶うのだなあと思いました。その典型がこのバーです。
さあ、伝説のカクテルが降臨します!