おじたー!

今年は、ホール係さんの朝礼に出るようにしています。時間が空いている時は、ホール係さんの仕事にもヘルプで入っています。しかし、朝から晩までホール係さんの仕事をするのは、時間的にも、体力的にも、能力的にも厳しいのですが、できる限り現場に入らせていただいています。
ホール係さんの朝礼は、事務所の朝礼とは異なり、ハイタッチも「いいね!」も「みんな大好き!」もありません。私が三翠園に着任した当時、事務所の朝礼は、別室で幹部が経営理念と経営指針を棒読みし、すぐ仕事の話をしていました。しかし、事務所の朝礼も、この1年半の間に大きく様変わりし、わざわざこの名物朝礼を見に来てくださるお客さまもおいでになるくらいになりました。
ということは、ホール係さんの朝礼も、時間がたてば変わると思います。強引に短期間で変えようとするとうまくいきませんので、「郷に入っては郷に従え」で、まずはホール係の1年生として、朝礼に参加するようにしています。
朝礼に出てびっくりしたことは、みんながバラバラに座っていることです。司会者に背を向けて、司会者の顔すら見ていない人もいます。そのような中、平然と朝礼は行われていました。これは朝礼をする以前の問題だと思います。あまつさえ、リーダーが遅れてやって来たり、来なかったりすることもありました。それがさして問題にもならず、「どうせ昨日飲みすぎたんやろ」で終わっています。会社としての体を成しておらず、非常に残念な状態です。さすがにこれは見るに見かねて、「朝礼にはみんな参加しようや」「朝礼では司会者の方を向こうや」とお願いしたくらいです。

さて、朝礼の内容ですが、これについてはとてもいい議論がなされていると思いました。しかし、まだまだ他部門に遠慮して、踏み込んだ意見を言えていないようにも思います。ホール係さんの仕事は、主に地元営業の社員さんが取ってきますが、お客さまとの打ち合わせにおいて詰めが甘いと、しわ寄せがホール係にきます。それがあまりにも頻繁に行われているため、現場は「どうせ何を言ってもムダや」「うちらでなんとかするしかないやろ」と、諦めてしまっています。
見方を変えれば、その状態で臨機応変に現場を回しているのですから、すごい現場力だといえます。しかし、現場だけが尻拭いをし続けるのはおかしいと思います。それに、こんなことをしていたら組織全体としての品質も上がりません。これを改善するためには、ささいなことでも気になったことを調整役の役員や社長に言っていただく必要があります。
そこで、みんなに「困りごとや相談ごとがあったら、遠慮なく言ってください。私が必ず調整します」と話しました。

これは、営業とケンカせよということではありません。お客さまとの打ち合わせの際に、「この項目とこの項目についてはきちんと詰めてください」と具体的に要望するだけの話です。もちろん、人間なので抜かることはあります。しかし、わざと抜かる人はいないので、抜かったらなぜ抜かったのかを営業の人に考えていただいて、営業の質を高めていけばいいと思います。誰かが遠慮したり我慢したりしていたら、組織としての成長はありません。仕事も円滑に回りません。
最近では、元ホール担当課長さんが営業に移動したこともあって、いわゆる二刀流のような支援体制をとれるようになりました。端的に言えば、助け合いと交流です。ホール係の社員さんが地元営業に同行したり、地元営業の社員さんがホール係に入ってくれたりしています。そういうことを頻繁に行うようになって、お互いの気持ちや、どうすれば円滑に仕事が回るのかをみんなが考えるようになってきたと思います。これは非常にありがたいことです。
ホール係に入って、もう一つ驚いたことがありました。社員さんが、電子部品や細かな備品を自腹で買っていたのです。しかも、よくあることだと知りました。前職の四国管財ではあり得ない話です。なぜ自腹で買っているのかと尋ねると、「会社はお金がないので買ってくれない」と言います。これは経営に問題があると思いました。社員さんに、そんな風に思わせてしまった経営が問題なのです。今は、「こんなものも経費で買っていいんだ」と思っていただけるように、ことあるたびに説明し続けています。

ホール係のヘルプに入るにあたり、私は形から入るのが好きなので、ホール係の黒服、つまりユニホームを発注しました。ほとんど戦力になりませんので当然自腹で買いました。形から入ると、自分の中で決意ができるのでそうしています。
こうしてユニホームを発注したのですが、なんとわざわざ1着のためにユニホーム会社さんが寸法合わせに来てくださるというのです。びっくりしました。前職では、服が届くと、自分たちで裾を上げるなどして微調整するのが当たり前でしたが、接客が中心のホテリエとあって「きちんとしているんだなあ」と感心しました。
もっと驚くことが待っていました。採寸に来てくださったのはユニホーム会社の社長さんだったのです。この会社は「高知ユニフォームセンター」といって、高知では大変歴史のある会社です。三翠園とは、昔からお取引があるようです。
この会社の社長さんがまたすごい人です。川渕良幸(かわぶちよしゆき)さんという方で、元吉本興業の芸人さんです。お笑いコンビ「あさり・かつお」として活躍されていた有名人です。芸名は「土佐かつお」さんです。吉本興業に在籍していた当時は、主に関西で活躍されていました。高知に帰って来られて、ラジオやテレビで活躍する一方、ご両親が経営していた「高知ユニフォームセンター」さんを引き継ぎ、社長もされています。今年は、なんと「土佐の『おきゃく』2024」という高知を挙げて行われる「おきゃく」(宴会)イベントの実行委員長にも就任されました。
この土佐かつおさんと、営業担当の岡林さんが来てくださったのです。「えー、もう勘弁してよ」と言いたくなりました。さらに驚いたのは、社長が、直々に私の採寸をしてくださるというのです。これはさすがに恐れ多くて遠慮いたしましたが、非常にお気遣いをいただいて、恐縮してしまいました。
あっという間に採寸が終わり、無事に発注させていただいたのですが、事務所に戻って我に返るなり「しまったー!!!」と絶叫してしまいました。土佐かつおさんには有名なギャグがあります。「おじたおじたおじおじた」です。「おじた」とはびっくりしたという意味の土佐弁です。せっかく土佐かつおさんと会えたのに、対面した際「おじたー!」といえんかった自分の未熟さにほぞをかむ思いでした。本当にこの日は「おじ」ました。