嫉妬は怖い

大阪万博跡地に開館した国立民族学博物館(みんぱく)は、民族学・文化人類学を中心とした研究・展示を行っています。そこでは、日本全国の風物詩やお祭りなども紹介されています。
私は1度だけ見学に訪れたことがありますが、高知は土佐の日曜市(街路市)、酒文化などに混じって、なんと犬神信仰が説明されていました。犬神信仰とは、動物の霊を使役する呪術で、昔、大変恐れられた民間信仰だそうです。真偽の程は確かではありませんが、あの人はいいなあ、うらやましいなあと思った人に取り憑くというもので、それをお祓いする呪術もあると書かれてありました。それを見て、「なんで高知はこれなんや」とドン引きした思いがあります。
我が家は、特定の宗教を信じているわけではなく、法事にはお寺さんにお参りし、家の神棚には神様を祀り、クリスマスにはクリスマスケーキを食べる家です。それでも、鮮明に覚えていることがあります。それは、私が幼い頃、熱を出して具合が悪くなると、母が太夫さんと呼ばれる神職の元に行き、お祓いを受けていたことです。太夫さんとは、民間陰陽師(おんみょうじ)だとか。なぜか、お祓いを受けると熱が下がったといいます。これも真偽はわかりません。
昔、高知のある神社の境内で、ご神木にわら人形が打ち付けられてあるのを見たことがあります。呪う相手の名前を書いて釘を打つのですが、打たれた人は体調を崩すといわれています。これまた真偽はわかりませんが、もし打たれた本人が見たら、「そんなに妬まれていたのか」とゾツとするでしょうから、体調も崩すというものです。
人の嫉み、恨みというものは、本当に怖いものです。