本当の宣伝広告

先般、友人から相談がありました。ネットワークビジネスをやっていきたいということでした。ネットワークビジネスについては、過去にもいろいろ相談を受けたことがありますが、個人的には全く興味がなく、ましてや、自分でやったこともありません。
しかし、友人からの相談ですからむげに断る訳にもいきません。それに、プレゼンテーションの仕方、思いの伝え方など、私でお役に立てることもあるかもしれないと思い、まずは話を聞いてみることにしました。
彼は、人に大変世話になったこと、だからこそこの仕事をやりたいことなど、仕事にかける思いを熱く語ってくれました。私は、その姿に大変感銘を受け、アドバイスをさせていただきました。
それは、「決して売り込んだらいかんよ」というアドバイスです。なぜなら、売り込めばお客さまが逃げるからです。こちらから「買ってください」と言うのではなく、お客さまから「買いたい」と言ってもらえるようにしなければいけません。

私は、前職の四国管財で、一切と言ってもいいくらい新規の営業活動をしませんでした。それでも、お客さまからの紹介、リピート、当社のうわさを聞いてお客さまになってくださった人たちだけで発展することができました。
現在、三翠園では、インターネットでの集客以外、ほとんど宣伝広告費を使っていません。口コミが一番効果的であることを知っているからです。それに、長く続いたコロナ禍で、財務体質の健全化が急務となっており、宣伝広告費は極力かけないようにしています。
社員さんの中には、「今は、売上を上げて利益を出さなければいけない時なのに、広告宣伝を打たなくて大丈夫ですか?」と心配してくださる人もいます。しかし、私はCMを打つ事も重要ですがそれ以外でも口コミは広がると確信レベルでわかっていますので、「大丈夫ですよ」と返答しています。
では、売上と利益を上げるためにどうしたらいいのかというと、それは「関わる人を幸せにする」ことに尽きます。ご利用してくださったお客さまに、「三翠園よかったよ」と友人・知人に自慢してもらえるようにすることこそ、本当の宣伝広告活動です。三翠園では、それを愚直にやっていきます。

さて、話を戻しますが、私は友人に「まず、絶対に売らないと心に決めて、300人に話だけ聞いてもらい、アドバイスだけもらうようにしたらいいよ」とアドバイスしました。
私は、2012年ドリームプランプレゼンテーション世界大会(大人が本気で夢を語るプレゼンテーション大会)で「共感大賞」受賞させていただきましたが、その際、メンター(助言者)の方たちから、プレゼンテーションについて次のようなアドバイスをもらいました。
「せめて300回は人に話す練習をしてください。そうすれば手元資料を見なくても話せるようになるし、思いも強くなります。それに300回話しているうちに、自(おの)ずとカイゼンが積み重ねられます」
ですから、彼に300人に話を聞いてもらうようにアドバイスしたのです。やるかやらないかは本人しだいだと思いました。
彼は、このアドバイスを実践しました。「いろいろな方からアドバイスをもらえて、ありがたい」と喜んでいました。売る気がないのに、「買いたい」と言ってくださる人まで現れてきたそうです。
目の前の人を幸せにしようとする姿勢以上の宣伝広告はありません。そのことを友人を通して再確認することができました。