夢がかなう100発締め

私は、宴席での乾杯と中締め(手締め)で、独特なことをします。そのきっかけとなったのは、真夏の講演会でした。酷暑のなか、講演を終えた私は、喉がカラッカラでした。一刻も早く喉を潤したいと思っていたその時、「それでは中澤さん、乾杯の発声をお願いします」という司会者の声が聞こえてきました。「えー」と危うく言いそうでした。周りの人を見ると、ニコニコしていましたが、目が笑っていません。「乾杯のあいさつあるんか」と、しんどそうでした。
私はマイクを受け取るやいなや、「わかりました。じゃあいきます。乾杯!」と発声しました。あいさつも何もなしの乾杯でした。すると、あにはからんや、めちゃくちゃ喜ばれ、すごくウケるではありませんか。これですっかり味を占めた私は、よほど厳粛な催し以外は、「ご指名いただきました中澤です。それではご唱和をお願いいたします。感謝を込めて、乾杯!」とすぐ言うようにしました。大体、ご指名を受けてから10秒以内に乾杯をします。すると、どこでも喜ばれました。もう病みつきになってしまいました。ですから私に乾杯を依頼すると、めちゃくちゃ早いです。

私の中締め(手締め)も独特です。高知でいう中締めは、最後のあいさつになります。「いったん中締めをして、その後も飲みましょうや」という意味合いです。決して、もうお帰りくださいという意味ではなく、用事がある人が帰りやすいようにする気遣いです。
私が高知青年会議所のメンバーだった頃は、一発締め(一本締め)といって、一発で締めるパターンがほとんどでした。三本締めはほとんどしません。
私が編み出した中締めは、100発締めです。少しずつ広めています。どういうものかというと、「皆さん、100発締めいきます!」といきなり発声します。すると会場の皆さんは、「えっ何々」と一様に戸惑います。それには構わず、続けて「じゃあ皆さん、とにかく私についてきてください」と言って、「いよぅ!」と発声し、100から99,98,97とカウントダウンしながら手拍子を打ちます。100から97まではきちんとカウントしますが、それかからはもう適当です。
90、80、70、多分70ぐらいで、無理やり100発たたかされるのではなく、ノリだということがわかってきて、皆のテンションが上がってきます。60、50、40、30、20、最後のテンカウントは全員で合唱します。10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、「やったー!万歳」と、全員で盛り上がる仕組みです。
この100発締めには、私が付けた名前があります。ですから、始める前に「それでは、高知県未公認、自称、無形文化財候補『夢がかなう土佐の100発締め』いきます!」と発声しています。
これからは、この100発締めを三翠園名物にしようと思います。名前も「高知県未公認、無形文化財申請中、『三翠園発、夢がかなう100発締め』」に変えます。本気で、申請してみようかなと思っています。皆さんもぜひこの「夢がかなう100発締め」で夢をかなえてください。