十人十色の価値観

人は、体験や経験を積むことで「こうすれば、ああなる」という価値観をつくっていきます。これが脳のパターンとなって、人の言動に大きく影響を与えます。
人は、誰しも同じ体験・経験をしていないので、10人いれば体験・経験つまり価値観も10パターン存在します。これがコミュニケーション・ミスを引き起こす大きな要因となります。

四国管財は、中途入社の人が多く、その人たちはそれぞれ体験・経験に基づく価値観を持っていました。前の会社で教えられたやり方も身についています。
一方、会社にも創業から磨かれてきた価値観(経営理念)があります。会社の価値観と、中途入社した社員さんの価値観のどちらが正しいのかというと、どちらも正しいのだと思います。しかし、この会社を選んで入社した以上、会社の価値観に合わせていただく必要があります。カッターボートと同じく、こぎ手が同じ方向を向いて、息を合わせてこがないと、会社は前に進まないからです。
私は、四国管財で35年も働いてきましたので、当たり前のように会社の価値観を体現してきました。しかし、中途入社の社員さんは価値観を共有しきれていませんので、当然、十二分に説明を尽くさなければ意図は伝わりません。
ところが、無意識でいるとついそのことを忘れてしまい、結果、説明が中途半端になって失敗したことが何度もありました。
繰り返し「うちの会社はそうじゃないんだよ」とか「うちの会社はこうするんだよ」と説明して、価値観を共有してもらえるように努力しないといけません。これは非常に難しいことで、言い方にも気をつけないと、「理不尽だ」「傲慢(ごうまん)だ」「パワハラだ」と思われてしまいます。

会社は、十人十色の価値観を持った人の集まりです。社員さんにしんどい思いをせずに、楽しく働いてもらうためには、上に立つ者が言葉足らずにならないように配慮する必要があります。そのことを常に意識して、社員さんが仕事をしやすいようにしていきたいと思います。