サービス業はいいもの
滋賀大学経済学部の小野善生(おのよしお)教授のゼミ生さんが、ゼミ合宿で高知2020年2月にご来高頂きました。
小野教授は、フォロワーの視点を重視したリーダーシップ研究を行っている方で、個人的にも懇意にしていただいています。不動産会社「ファースト・コラボレーション」の武樋会長と日本最期の木毛(もくめん)屋さん「戸田商工」の戸田社長と、私の前職の「四国管財」を見学してもらいました。
ゼミ生の皆さんは、将来、どうしたら日本の役に立てるのかを真剣に考えており、教える私たちの方が大きな刺激をもらうことができました。
四国管財も三翠園も短期企業体験やインターンシップを積極的に受け入れていますが、子どもたちの質問に答えていくことで、自分の会社を俯瞰(ふかん)して見ることができ、たくさんの気づきをもらえます。何より、自分の会社のすごいところを再発見でき、会社に誇りがもてます。ですから、インターンシップに限らず、会社見学やベンチマーキングなどについては、全て、喜んでお受けするようにしています。
話をゼミ合宿に戻します。3年前の2020年3月、1人の女子学生さんが交通事故でこの世を去りました。小野ゼミで高知においでになった方でした。その一報を聞いた時、私、武樋さん、戸田さんは言葉が出ませんでした。夢と希望に満ちあふれていた彼女のことを思うと残念でなりません。われわれは、高知の地から、ご遺族へ献花とお悔やみを申し上げることしかできませんでした。
先日、彼女のお母さまから連絡がありました。「コロナ禍がようやく落ち着いてきたので、娘が最期に訪れた高知の町を自分たちも歩いてみたい」ということでした。しかも、ありがたいことに、私が三翠園で働いていることを知って、「せっかくだから、ぜひあなたの旅館に泊まりたい」とまで言ってくださったのです。
こうして、先日、ご両親は高知においでになりました。私たち3人は、ご両親と初めてお会いしましたが、すっかり意気投合し、当時のことなどいろいろお話しさせていただきました。
三翠園での会食では、三人分の食器を出して、娘さんに献杯しました。私は、会食の前、対応する社員さんに事情を話し、「あたかも娘さんがそこにいるように接してあげてね」とお願いしました。
当日のお願いでしたが、社員さんは「はい承知しました」とだけ言うと、そこに3人の家族がいるように接してくれました。その姿を見て、毎日お客さまの幸せを思って仕事をしてくれているからこそ、臨機応変に対応できたのだと思いました。
「サービス業っていいなあ」と、しみじみ思います。
※写真はご両親とお嬢様と