サービスって何?

私には、人とすぐ仲良くなれるというトクな一面があります。なぜトクなのかというと、お店の人と顔見知りになると「これサービスしとくわ」などと言ってもらえるからでなく会話が弾むと食事がもっと美味しくなるからです。しかし、世の中はすべて表裏一体となっています。いいことがある半面、そうでない面もちゃんとあります。
私は人から「これサービスしとくわ」と言われると、「気を使わせてしまったのではないか」と気が引けてしまい、だんだんそのお店に行きにくくなってしまうのです。これは私だけかと思っていたら、結構そうでもないようです。
私の友人は、あるうどん屋さんの常連だったのですが、彼がそのお店に行くと、いつも天ぷらを一つサービスしてくれるのだそうです。最初は、特別待遇してもらえてうれしかったのですが、それが続くと気が引けて、次第に足が遠のいてしまったそうです。彼は、そのお店のうどんが大好きで、普通に食べているだけで幸せだったのに、お店にしてみたらなんとももったいない話だと思いました。

日本では、「サービス」を「おまけ」と捉える傾向があり、街中の果物屋さんでリンゴを買っても「1個サービスしておくよ」などと言われます。しかし、サービスという言葉には、無料で提供したり値引きで提供したりするという意味だけでなく、人のために尽くすことや、おもてなしをするという意味があります。
私が働いている旅館・ホテル業は、「厚生労働省編職業分類表」によると「大分類09サービスの職業」に該当します。しかし、私たちホテル業の仕事は、おまけをすることではありません。心を込めておもてなしして、その対価を頂戴することです。
サービスの質を高めるとは、お客さま満足を高めることであり、それは値引きによってではなく、人のために尽くすことや、おもてなしによって高めるものだと思います。
さて、このように誤解をまねくサービスという言葉ですが、そもそも英語でおまけはfree gift、割引はdiscountと表します。serviceは奉仕活動のことです。日本では意味がごちゃまぜになっていますが、そろそろ「サービス」に対する意味づけを整理してもいいのではないかと思います。

このようなことを言いながら、私は人に食事をご馳走(ちそう)するのが大好きで、社員さんと昼食をご一緒した時は30年以上必ずご馳走しています。「これも相手に気を遣わす行為ではないのか?」と思われるかもしれませんが、前職では当たり前でしたが三翠園にきてめちゃくや遠慮されますのでどうしょうかと思いましたが退職まで絶対やる宣言をして続ける事にしました。但し年上の役員の方にはなんか失礼なような気がしてお昼はひないように決めています。書いていてまあ自分勝手なルールでした。めでたしめでたし