神様の日の朝

毎月1日と15日は神様の日といわれ、多くの神社では月次祭(つきなみさい)が行われます。私も、神様の日は、朝一番に、まず近所の本宮神社(ほんぐうじんじゃ)にお参りして、その後、山内家歴代藩主が祀られている山内神社にお参りします。そして、三翠園内にあるお稲荷さんと、お稲荷さんの背後にそびえ立つ巨大な樹齢600年といわれるムクノキにごあいさつさせていただいて、素晴らしいパワーを頂戴します。
三翠園内のお稲荷さんは、京都伏見稲荷大社より分霊遷座し、後に土佐稲荷神社となったお稲荷さんで、再度、このゆかりの地に分祀(ぶんし)し、ご来客のご繁栄と当社の安泰を祈願しています。

 参拝を終えると、三翠園に入館します。社員さんは、通常、裏の通用口から入館しますが、私は正面の大門から、一礼をして入っていきます。なぜ通用口ではなく、正面の大門から入るのかというと、観光客の方が記念写真を撮っていることがよくあるからです。そのようなお客さまをお見かけしたら、「もしよろしければ、お写真をお撮りしましょうか」とお声をかけて、写真を撮らせていただきます。
その際、話しかけてもよさそうな雰囲気だったら、「すいません、社長の中澤といいますが、三翠園はお楽しみいただけましたでしょうか」などと、直接ご意見をお伺いします。もし、ちょっとノリの良さそうなお客さまだと感じたら、私の背広のネーム(刺しゅう)をお見せします。私の背広のネームは「山内一豊(やまうちかずとよ)」です。もちろん笑ってもらうためのシャレです。中には、山内一豊の刺しゅうと一緒に写真を撮りたいと言ってくださる「ありがたい」お客さまもおいでになります。そのようなときに、ちょいちょい尋ねられることは「ひょっとして、山内家の末裔(まつえい)の方ですか?」という質問です。私は、待ってましたとばかりに「いえいえとんでもない、全くの庶民の出です。世が世ならば、こんなことをしていたら打ち首になります」と言って、さらに喜んでいただきます。
私は、名刺入れにも山内家の家紋「丸三葉柏紋(まるにみつばかしわもん)」の“シール”を貼っていますので、それも見ていただいて盛り上げます。そんなこんなをするために、わざわざ大門から入るようにしているのです。

さて、朝の盛り上げが終わったら、体温検査をして入館し、フロントに向かいます。そこでは、集められたお客さまアンケートを預かります。アナログでデータ管理をしていますので、ためてしまうと大変なことになります。
次に事務所に入り、部屋の照明をつけます。朝は、清掃の方やスタッフの方とお会いできるありがたいチャンスです。この機会をつかって、皆さんにあいさつをさせていただいたり、時には雑談をさせていただいたりします。
それから私の1日の業務が始まります。まずはパソコンのデータチェックからです。最近ちょっと出られていませんが、各部署では朝のミーティングをすることになっています。9時からは、人事部のミーティングを北村常務を中心に行っています。9時半からは、接客部門のおもてなし部のミーティングがあります。そして10時からは、事務所での全体ミーティングを行います。それから各部門の業務が本格的に始まります。

私は、社員さんの連絡用無線機をプライベートに購入して持っています。無線を聞いて、お客さまを乗せたバスが出発することがわかると、玄関に走り、バスの発車に合わせて手を振ってお見送りしています。
新型コロナウイルス感染症は、感染症法上の「5類」に引き下げられ、季節性インフルエンザなどと同じ位置づけとなりました。これからは、バスの中へ乗り込んで、皆さんにごあいさつさせていただき、私の娘がつくってくれた非売品のポストカードをお客さまにお配りしたいと思っています。
社長就任前に考えていたことは、運転手さんやバスガイドさんや添乗員さんから、三翠園の良かったところ、悪かったところなどの情報を直接集める仕組みをつくることです。これもぜひ実現したいと思います。
コロナ禍で、人と人の距離がだいぶ開いてしまいましたが、それを縮めるのも社長である私の仕事だと思います。