1年の振り返り
今年も大みそかを迎えました。人生で初めて、四国管財ではない会社での大みそかです。6月21日に三翠園の社長に就任しましたが、あっという間の半年でした。
本来、私は、自虐ネタが大好きで、ガンガン自分の失敗談や至らないことを書いて楽しむ方ですが、三翠園には「クレームを宝の山にする」風土がまだないため、社員さんがブログを読んで、元気がなくなったらいけないと思い、三翠園のことを書くのを控えていました。しかし、今日は大みそかなので、半年間で感じたことを振り返ってみたいと思います。
現在、三翠園にはいい意味で課題が山積しています。しかし、課題を全部解決すれば間違いなくいい会社になります。いつも言っているように伸びしろしかない会社です。
課題の一つは、組織間のコミュニケーションが低い事です。組織間で対話するツールもありません。ですから、そもそもコミュニケーションの取りようもありません。ところが、いざ花火大会など大きなイベントになると、全部門が当たり前のように協力して乗り切っていきます。この底力には感心しました。それなら、日々の業務でも連携すれば、もっといいサービスがお客さまに提供できるのにもったいない、と思いました。
次に課題だと思っていることは、朝礼のあり方です。これまでの朝礼は、別室でちょこちょこっと経営理念と行動指針を読んでそれで終わりでした。
いい会社には、明確な経営理念とそれに基づく行動指針があり、それらを浸透させていく努力も日々行っています。経営理念や行動指針をつくっただけでは、絵に描いた餅となってしまいます。それをどう浸透させていくのかが大事です。それができている会社がいい会社です。
サービス業は人がすべてです。全員が同じ方向を向いているからこそ連携プレーができ、感動のサービスをお客さまに提供することができます。最初にすべきことは、思いをそろえる、つまり価値観をそろえることです。
そこで、真っ先に朝礼の改革に着手しました。具体的には、経営理念や行動指針をただ棒読みすることをやめて、読んだ後に、それに関して自分の意見を言うようにしました。まずは1カ月私が手本を示し、その後、輪番制にして全員にやってもらうようにしました。
私の社長時代の四国管財では、全社員さんが当たり前のようにこうした朝礼をしていましたが、やり始めた時は、誰も賛同してくれる人はおらず、孤軍奮闘でした。現在の三翠園と同じ状態です。私は、四国管財で朝礼が軌道に乗るまでのプロセスを経験していますので、どうすればいいのかはわかっています。後は実行するだけです。
1カ月がたち、全員に順番でやってもらっていますが元気がありません。それでも人が発表した後に拍手をしたり、フィードバックをしたりしながら、なんとかやってきました。
当初、離れ小島の別館でやっていましたが、これでは全社員に浸透していかないことから、朝礼の場所を本館に移し、他の職員さんにも参加してもらうようにしました。しかし、これが非常に盛り上が悪く、参加する人はいつも同じ顔ぶれで、大半の人は「私は関係ないから」という状態です。
いい会社は、経営理念や行動指針を浸透させる行為の大切さをわかっていますので、当たり前のように全員が朝礼に集まります。しかし、まだ三翠園にはそうした風土がないため、こうした朝礼の大事さを理解してもらえません。寒い朝礼が続いています。
そのような折り、全国旅行支援が始まりました。長引くコロナ禍で人材流出が続き、慢性的な人手不足に陥っていましたので、現場は回すだけでいっぱい、いっぱいになりました。私も、ヘルプに走る日々が増え、おかげでベッドメイキングができるようになりましたが、せっかく続いていた朝礼はうやむやになってしまいました。またゼロからのやり直しです。しかし、どうやったらうまくいくのかがわかっていますので、後は時間をとってやるだけだと自分に言い聞かせています。
目指しているのは、すべての部署の社員さんが、経営理念と行動指針を理解・共有し、いろいろな意見交換が日々できる職場になることです。半年後を目指して、理想の形にしていきたいと思います。
その前に、現在の経営理念と行動指針の見直しをします。全社員さんの意見や思いを織り込んで、より親しみやすい、実践しやすいものに作り直します。
まず、経営幹部に経営理念と行動指針の見直しについて意見を募りました。しかし、ほぼ意見は出ませんでした。これは私の意見の集め方が悪かったと思っています。
この会社の風土だと思いますが、反対意見や新しいアイデアはほとんど出ません。「意見を言ったらやらされる」と思われているようです。
これも意見が無いのでなく意見が言える風土でないだけです
逆に見方を変えれば、大変チャンスな状態です。一般的に、何か新しいことをしようとすると、意地悪な反対勢力が現れて、足を引っ張るものですが、そういうことはまったくありません。やりたいことが、何でもできるという意味でチャンスな状態なのです。
私は、ウエルビーイング経営を実践するために三翠園で働いています。最終的なゴールは働いている社員さんの幸福です。新しい年は、そのための飛躍の年にしたいと思います。