心の相談室スタート その①
今から35年くらい前の話になりますが、四国管財に野中さんが入社されました。彼女は清掃業務に応募してきましたが、聴覚に障害をもっており、当初、支障なく仕事ができるか不安でした。
彼女が受け持つ現場は、四国銀行さんの本店です。とても理解のあるいいお客さまです。事前にお客さまの了解を得るために事情を説明したところ、「まったく問題ありません。大丈夫ですよ」と、ご快諾いただけました。
不安な船出でしたが、いざ仕事が始まってみると、何も支障はありません。それどころか、定年後も働いてくださり、本人が「もうそろそろ」と言い出すまで、お仕事を続けていただきました。結局76歳さい迄活躍されました。本当に感謝しかありません野中さんは当社の障がい者就労の先駆者です。我が三翠園では障がいを持たれてお仕事をされたい方が少ないのでこれから伸びしろしかありません。
四国銀行さんの本店には、聴覚に障がいをもつ行員さんも働いていました。そのこともあってか、手話ができる行員さんが数名いらっしゃいました。私は、手話を習うことを口実に、皆さんを誘って、食事をご一緒させてもらったことを思い出します。その時に、野中さんの手話通訳をしてくださったのは、職場の同僚である小松さんと友人の中越やよいさんです。
初めて知りましたが、手話通訳は大変な激務です。テレビ番組で手話通訳を見たことがあると思いますが、よく見ていると頻繁に交代していることに気づきます。耳で言葉を聞きながら、手話で表現していくのは、心身共に負荷がかかるようです。同じ姿勢で、手を動かし続けなければならず、頸肩腕(けいけんわん)症候群に悩む人もいるそうです。そのような苦労をして、手話通訳者は「思い」を伝えてくれていたのです。ちなみに、中途半端な気持ちで習った私の手話が、ものにならなかったことは言うまでもありません。
さて、その時に知り合った中越やよいさんは、現在、高知県手話通訳者や心理カウンセラーとして活躍しており、四国管財の社外カウンセラーもお願いしています。こう見えて、私も悩みが多く、たまに中越さんに相談に乗ってもらっています。彼女に話すと非常に心が救われます。
その2へつづき さて三翠園はどの様なサポート体制を創るのか?