日帰り入浴問題
最近、温泉の入浴時間について大きく変えた点があります。それは、ホテルを利用していない一般外来のお客さまの入浴時間を15時30分が入場終了で16時までに限定したことです。
入浴時間の制限については、弊社ホームページでの告知や電話でのお問い合わせの際にお知らせしていたのですが、実態はあいまいになっていました。会社としては、表向きには16時までといいながら、ルールを守らない人を見て見ぬふりをしていたため、そのことを知っている人の中には、深夜まで入浴している方もいらっしゃいました。完全なダブルスタンダード状態でした。
それでも、さしたるトラブルがなければ仕方ないかと、様子を見ていた(逃げていました)のですが、実は、いろいろな問題が発生していることがだんだんわかってきました。ある入浴客は、宿泊客用の駐車場に車を駐(と)めたため、係員が注意したところ「社長の知り合いや」(もちろん知り合いではありません いつの時代の社長の知り合いでしょう~??)と言って車を置いて行ってしまったといいます。また、これは宿泊客アンケートに書かれていたことですが、「夕食後、サウナに入ろうとしたら、地元の主みたいな人がずっと入っていて、怖くて入れなかった」ということもありました。さすがに、「これはまずい」と思い、批判を承知の上で、一般外来の方の入浴時間を徹底させていただきました。
一般外来の方の入浴については、もう一つ問題がありました。それは無銭入浴する人がいることです。これは前から問題になっていたようですが、この会社の悪いところで、見て見ぬふりをしていたようです。現場の社員さんが上司にそのことを告げても、上司はやっかいなトラブル対応をしたくないため、ああだこうだ言うだけでちっとも対応しなかったそうです。
この「見て見ぬふり」の話には、もっとひどいケースもありました。ある犯罪行為をする同僚がいたため、上司にそのことを告げたのですが、上司はなんと「私はその現場を見ていないから何もできません」と言って逃げたそうです。まったくあきれた話で、今のお役所の人は日々一生懸命にお仕事をされていますので今では失礼な表現になってしまいますが“お役所仕事”だと思いました。私は、このような対応は絶対に許しません。ダメなことはダメなのです。今は、社員さんに「何でも言ってきてね」「嫌なことはせんでええからから、全部こちらでやるから言ってきて」と繰り返し話しています。
会社は信用第一です。有言実行です。それは社内に対しても同じです。日頃、いいことを言っていても、いざ問題が起こった時に何も動かないようでは、社員さんの信頼を失います。やる気もなくなるというものです。
さて、無銭入浴する人の話に戻します。「どうやら無銭入浴をしている人がいるようだ」という話を番台の社員さんから聞きました。監視カメラの映像を確認してみると、確かに、番台の人が数分席を外した隙に入っていく人がいたり、ちょっと横を向いた瞬間にスルリと入っていく人がいたりしました。思わず「ほうっ」と関心してしまうほど手慣れた様子でした。中には、もっと大胆な人もいました。首にタオルを引っかけて、さも宿泊客のふりをして堂々と入っていきます。この人は、常習犯なので、マークして先日捕まえました。
「あなたは、何時何分に入ったけどお金払っていないのはバレていますよ」「次またやったら警察に通報しますからね」と言うと、「だって、番台に人がおらんかったから入っただけや。後で払おうと思っとったんや」と言い逃れする始末です。
それなら、言い逃れできないようにすればいいと考え、入浴料のお支払いは前金制であることを知らしめ、お支払いは券売機でお願いすることにしました。
あきれたことに、無銭入浴者も知恵を絞るようで、回数券をカラーコピーで偽造して入る人まで出てきていた時もあり。いたちごっこになっています。
しかし、無銭入浴は犯罪です。窃盗罪もしくは住居侵入罪もしくは詐欺罪にあたる可能性があります。警察に通報するなど、厳正に対処すべきです。
かつては、「そうは言ってもお客さまやから、あまり失礼なことはできん」という風潮があったようですが、そういう人は犯罪者であって、お客さまではありませんから、遠慮することなく出禁にするなり、警察に通報して引き渡すなりすべきだと思います。そういう人は、まず犯罪から足を洗ってから、入浴してもらいたいものです。