兵庫県知事のパワハラ問題

「今般の兵庫県の内部告発問題について、あなたはどう思いますか」という質問をいろいろな方からいただいています。私の意見は、結論からいうと知事は一度辞職して、自分が正しいと思うなら、再度知事に立候補して、県民に信任を問うべきだと考えます。
本件の問題点は、「公益通報制度」を巡る知事および県の対応にあります。簡単に経緯を振り返ります。

・3月中旬、告発者である元県西播磨県民局長は、知事のパワーハラスメント(パワハラ)等に関する7項目の疑惑を記載した告発文を作成、報道機関や一部県議に送付した。
・告発文の内容を把握した知事は、人事当局に告発者の特定を指示し、命を受けた副知事は元県民局長を聴取し、パソコンの履歴等を調べて告発者を特定した。
・3月27日、知事は記者会見で、文書の内容は「事実無根」であり、本件は公益通報者保護法の保護の対象とならない通報であると断じ、「不満があるからといって、業務時間中なのに、うそ八百を含めた文章を作って流すという行為は公務員として失格」と断罪し、元県民局長の定年退職を取り消し、役職を解任した。
・4月4日、元県民局長は、県の公益通報窓口に通報。人事当局は、知事に「公益通報の結果が出るまで処分できないのではないか」と進言するが、当時の総務部長は処分を急がせた。
・5月7日、県は、公益通報の調査結果を待たずに、「告発文は核心的な部分が事実と異なる」「誹謗(ひぼう)中傷にあたる」という内部調査結果を公表し、元県民局長を停職3カ月の懲戒処分にした。
・この決定に対し、県議会は県による内部調査では不十分であるとして、第三者機関を設置して改めて調査することを求めた。県議会としても、自ら調査すべきであるとし、百条委員会が設置された。百条委員会では、知事のパワハラ疑惑、企業への贈答品要求疑惑、優勝パレードの寄付金集めにおける不正行為疑惑などなど、次々に疑惑が噴出。
・9月18日、弁護士6人で構成する第三者委員会の第1回会合が開かれた。委員会では、告発文書に記載された疑惑の真偽と公益通報をめぐる県の対応について調査が行われることになっている。

私は、知事および県の対応には、三つの問題があると思います。最初は、告発時点で告発者を公益通報者保護法の保護対象にしなかったことです。次は、告発文が保護対象になるか否かの調査・判断を、告発された当事者たちが主体となって行ったことです。これは大きな問題だと思います。最後は、県の公益通報の調査結果を待たずに元県民局長を懲戒処分したことです。
現在、百条委員会および第三者委員会で、公正な調査が行われていますが、すでに尊い命が2人も失われていることを考えると、遅きに失すると言わざるを得ません。
その後県議会全会一致で不信任決議案が可決しました。

 パワハラは、企業にも当てはまる問題です。経営者は、ハラスメントをすれば、訴えられたり処罰を受けたりすることを肝に銘じて、経営をしていかなければいけません。
私は、今まで何度も部告発されたことがあります。その時その時で色んな対応をしてきた過去があります。(流石にこの内容は書けませんが)
内部告発は、した人は当然ですが告発された人にとっても、非常にしんどいものがあります。怪文書
事実ではないことを言われたのなら、なおさらです。しかし、だからといって犯人捜しや報復人事をしようものなら、完全にアウトになります。ハラスメントの対応は、腹を括って正しい方法に従って粛々と行うしかないと思います。