ついにアレになりました

一か月前の話ですが
今まで、どうにかこうにか新型コロナウイルスの感染を免れてきましたが、とうとう感染してしまいました。もしかしたら、無症状のため、感染していることがわからなかっただけかもしれませんが、今回は、新型コロナウイルスに捕まってしまいました。これは不可抗力ともいえることなのですが、立場上、会社に迷惑をかけてしまい、申し訳ない思いがあります。
これまで、何度か「もしかしたらコロナじゃないか」と思うようなことがあり、PCR検査をたくさん受けてきました。当初は、厚生労働省が承認する一般用抗原検査キット(OTC)などありませんでしたから、検査料は1回5万円程度かかり、検査を受けられる医療機関も限られていました。それでも仕事柄10回は受けたのではないでしょうか。毎回、判定結果が出るまではドキドキで、裁判の判決を待っているかのように不安でいっぱいでした。

これまでで最も感染リスクが高かったのは、一緒にゴルフに行った友人がコロナウイルスに感染した時で、私は濃厚接触者に認定されました。コロナ禍の初期だったため、濃厚接触者の待機期間は14日間もありました。濃厚接触者は、感染の疑いがあるだけで、体は元気そのものでしたから、落ち着きのない私にとって、自宅待機期間は本当に地獄で、大変しんどい思いをした覚えがあります。
さらにしんどかったのは、日本全体に漂っていた社会的圧力でした。当時は、新型コロナウイルスに感染してしまっただけで誹謗(ひぼう)中傷された時代です。会社としては、社員さんが新型コロナウイルスに感染したら、プレス発表ぐらいしなければいけない風潮がありました。私は、当時、前職の社長を退き、取締役会長になっていましたが、それでも会社に対して大変負い目を感じたものです。
さて、そんなことがありながらも、結局、新型コロナウイルスには罹患(りかん)しないでいましたから、「もう自分は大丈夫かもしれない」と、どこかで油断していたのでしょう。その心の隙を待っていたかのように微熱が生じました。37度弱でした。体質的に、微熱は珍しいことではなかったのですが、今回の微熱はなぜか体が大変熱く感じたため、直ちに病院に行くことにしました。
病院で、改めて体温を測ってみると、36度5分しかありません。先生は「熱はないねえ・・・。どうしますか?」と言いましたが、私は「念のために、新型コロナウイルスの検査をしてください」とお願いしました。結果は、見事に新型コロナウイルスに感染していました。しかも、大変申し訳ないことに、妻も義理の父も感染してしまいました。

幸いなことに、今は新型コロナウイルスの治療薬があります。私は、睡眠時無呼吸症候群という基礎疾患をかかえていたこともあり、「薬を飲んだ方がいいよ」と言われました。処方されたのは「ラゲブリオ」という薬です。この薬は非常に高価で、コロナ禍の時は無料だったようですが、今では、3割負担でも自己負担額は2万6000円もしました。この薬は高いだけでなく、とにかくでかい。朝と晩に4錠服用しないといけないのですが、大きくて飲みにくいため、慣れるまでは1錠ずつゆっくりゆっくり飲んでいました。
おかげさまで、今ではすっかり回復し、会社にも復帰しています。しかし、妻と義父には負担をかけてしまい、今でも申し訳なく思っています。

先日、会合に出席しました。マスクをしていたのは私だけで、あとは誰一人としてマスクをしていません。しかも、「新型コロナウイルスにかかったばかりだから」と言っているにもかかわらず、献杯を求めてくる猛者も多くいました。高知県は、こうした独自の酒文化があるため、新型コロナウイルスの拡大を防ぐのは難しいと思いました。