プロセスを聞く
社員さんに、どんな仕事をしているのか尋ねると、「いろんなことをやっています」とか「これやっています」「あれやっています」などと元気よく返答してくれます。
しかし、「どうしてそれをやっているの?」と尋ねると、「誰々さんに言われたから」「○○旅館もやっているから」などと、急に声が弱々しくなります。一番困る返答は、「前からやっているから」という返答です。
私は、前職の四国管財の時、日本経営品質賞に挑んだ時期がありました。経営品質では、「価値ある製品やサービスを生み出し・提供する一連の流れ」を「プロセス」と呼んでいます。従来と同じプロセスを採用していたら、同じ製品やサービスしか生み出せません。新たな価値を持った製品やサービスを創り出すためには、新しいプロセスを創り出さなければなりません。
日本経営品質賞の評価基準には、「変革の好循環が生まれ、顧客価値経営が実践され続けている」ことが挙げられています。以前、経営とは変化に対応することだとお話ししましたが、そのためには新しいプロセスを創り出し続けることが必須になります。前と同じプロセスを繰り返していたら変化に対応できません。プロセスを学ぶことは、経営を学ぶことに通じます。
私が経営品質を勉強していく中で口癖になった言葉があります。それは「何をもって」です。結果だけを見るのではなく、「何をもって」(プロセス)それをやるのかが大変重要だからです。その観点から、経営にはプロセスを聞く質問力が必要だと思います。
三翠園でも、「何をもって」「何をもって」と質問しながら、仕事を進めていくようにしています。