直談判できない人たちの声を聴く
先日、「三翠園さくらのまるしぇ」が無事終了しました。少しバタバタしていて、来場者数などの数字はまだつかめていませんが、内容は非常に充実できたように思います。
しかし、「もっと人数を集められたのではないか」「人を集めるために自分が本気で取り組んだのか」と猛省しています。開催まで、かなり期間があったにもかかわらず、チラシを配るなど、全然できていなかったように思います。事前の努力が、当日の結果につながります。もっと、もっと現場をサポートすべきでした。私自身の動きが足りなかったことを非常に反省しています。
一方、イベント内容ですが、豊ノ島さんのトークショーは見事なものでした。司会を務めてくださったフリーアナウンサーの藤崎靖啓さんは、元テレビ高知のアナウンサーで、話の引き出し方が天才的でした。
藤崎さんは、豊ノ島さんを若い頃から何度も取材したことがあり、よくご存じとのことです。その上、事前にたくさん勉強されたようで、面白いお話をたくさん聞くことができました。
豊ノ島さんには、お願いして歌も2曲歌っていただきました。1曲は私のリクエストで「栄光の架橋」(ゆず)です。これは動画サイトで見て、ものすごく感動して、「絶対、歌ってください」と懇願した曲です。もう1曲は今年1月に亡くなった演歌歌手の小金沢昇司さんの曲でした。豊ノ島さんは、「カラオケなどではよく歌いますが、こうした人前で歌うのは初めて」とおっしゃっていましたが、みんなが聞き惚れてしまうくらいお上手でした。
「三翠園さくらのまるしぇ」では保護犬の譲渡会も行いましたが、なかなかワンちゃんの行き先が見つかりません。しかし、当日、新たなご縁がつながりました。テレビで取り上げられて有名な動物病院を経営されている先生で、ボランティアで保護犬・猫の病気を治療し、殺処分から多くの命を救っている素晴らしい方です。その先生とのご縁を大切にして、譲渡会を活発にしていく仕組みをつくっていきたいと考えています。
当日は、キッチンカーにも数台出店していただきました。その中の1台は、知り合いのキッチンカーです。三翠園のバーを担当していただいている方です。彼女は、伝説のオリジナルカクテルのご提供も担っています。クルルさんという方で、昼間はご自分のキッチンカーを運営されています。彼女が作るワッフルケーキは絶品です。
彼女との出会いは昨年でした。「社長と直談判したい」というアポイントが発端です。コロナ禍で、ホテルのバーはほとんど営業になりませんでした。彼女は常勤雇用ではなく、昼間はキッチンカーで働いているダブルワーカーです。そういうこともあって、私は彼女の勤務実態をまったく把握していませんでした。端的にいうなら、ほったらかしでした。
彼女と面談させていただいて、初めて、会社として彼女たちを守っていなかったことがわかりました。雇い主として、人を大切にしていない雇い方をしていたことを知り、そこから改善をさせていただいて今日に至っています。オリジナルカクテルによって、もっと、もっと仕事を増やし、活躍していただきたいと願っています。
オリジナルカクテルは、慣れない作業でしたから、大変だったと思いますが、「彼女たちだったらいける!」という確信があります。きっと期待を超えてくださるはずです。
彼女は、私との面談で大変恐縮されていました。今まで、社長に直談判するなんてことは一度もなかったようです。それを聞いて、逆に私が恐縮してしまいました。これまで、いろいろな社員さんと面談してきましたが、私に「お話ししたいことがあります」とおっしゃる方は、本当に困っている方で、最後の手段として上司を飛び越えて直談判されます。
これは途中のホウ・レン・ソウが全く機能していないということだと思います。聞けば、「なんや、そんなことですか。それやったらこうすればいいよね」と、簡単に済んでしまう話も多くあります。それが直談判しかないと思い詰めるということは、組織の意思疎通経路が動脈硬化を起こしている表れです。経営者として非常に反省しました。
社長に就任してまもなく600日になりますが、直談判したくてもできなくて困っている社員さんは、まだまだたくさんいらっしゃるのではないかと思います。そういう方たちの声に耳を傾けて、毎日、一歩ずつ、会社をよくするようにがんばります。