オリジナルカクテルの裏話

先日は、三翠園のオリジナルカクテル記者発表の話をブログに書かせていただきましたが、実は、これにはちょっとした裏話があります。今回はそれをご紹介いたします。
一般的に、こうした発表会は大勢の人を招いて盛大に行い、それを取材してもらうのでしょうが、私はそうではなく、カクテルを主役にしようと考えました。理由は、それだけオリジナルカクテルの出来に自信があったからです。せっかく高橋直美さんという世界一のバーテンダーさんに創作していただいたカクテルですから、彼女がカクテルを作る姿や、カクテルそのもののクオリティーを前面に押し出した展開にしたかったのです。
とはいえ、カクテルだけでは絵になりませんので、親しい友人を中心に10人ほどご招待して、簡単なお料理とカクテルを楽しんでいただきました。お客さまには詳細をお伝えしていなかったので、大宴会だと思って参加した人もいて戸惑ったようでした。

私が心配していたのは、どれだけ報道陣に来てもらえるかでした。あまりにも少ないと格好がつきません。
ありがたいことに「KUTVテレビ高知」の社長さんは、ロータリークラブでお世話になっていましたので、なんとかお願いして来ていただけることになりました。「高知さんさんテレビ」さんには、報道用のニュースリリースを出させていただいたところ、取材に来ていただけるという返事をもらえました。「RKC高知放送」さんは、以前から三翠園をよく取材していただいており、その担当者の方にご連絡を取ったのですが、その方はラジオ局に転勤になっていました。しかし、ありがたいことに、その方がキッチリつないでくださったおかげで、「RKC高知放送」さんにも来ていただけることになりました。新聞では、「高知新聞」さんと「読売新聞」さんに来ていただけました。こうして当日は、3社のテレビと2社の新聞に取材していただける運びになり、なんとか世界一のバーテンダーである高橋さんの顔をつぶさずに済んでホッとしました。

私には、自分で何でも考えようとするクセがあります。これがよく失敗の原因になるのですが、この日も、ギリギリまで式典の進行を一人で考えていました。まず、私がごあいさつをして、その後にカクテルを考案していただいた高橋さんにあいさつとカクテルの説明をしてもらい、実際にカクテルを作って、会場の皆さんに振る舞って、などと段取りを振り返っていた時、ふと、司会者がいないことに気がつきました。
「えー」となり、急きょ地元宴会の濱田課長に司会をお願いし、フロアにはホールの深澤さんについてもらうことにしました。濱田さんは、前職で営業日本一に輝いた方です。お二人とも、急なお願いにもかかわらず快くお引き受けいただき、感謝しかありません。このお二人は、今後、カクテルづくりに携わっていただく貴重なメンバーとなります。(実は今晩学びに行きます)

いよいよオリジナルカクテルの発表会が始まりました。私のオリジナルカクテルへの思い、高橋さんの創作にまつわるお話に続き、待ちに待ったオリジナルカクテルのお披露目です。そしてお客さまの試飲です。さあ、取材が始まりました。
この日は、中学校の同級生で、「D.A」というショットバーを経営しているマスターも招待していました。彼は、「一つのグラスの中で、色が3層に分かれるようにするのは、ありえないくらい難しいテクニックだ」と評していました。このカクテルは、口当たりが軽く、少し飲むと味が濃くなり、さらに飲み進めると強く魅了する味が広がっていきます。これは夢実現をモチーフにしたもので、いろいろなことを乗り越えた先に、深い味わいがあることを表しています。
グラスの縁には、高知の名産物であるスダチを使って、三翠園のマークをかたどったワンポイントがあしらってありました。高橋さんの気配りと細かな作業は、さすがの一言でした。

さて、「D.A」のマスターには、この日大変助けていただいたことがありました。というのは、マスコミを呼んでオリジナルカクテルを発表することを決めたものの、そのカクテルを入れるグラスが三翠園にはなかったからです。報道や写真撮影用に「映える」カクテルグラスが必要でした。それを、直前まで私がわかっていませんでした。このピンチを助けてくれたのが「D.A」のマスターです。彼は、撮影用に、なんと自分が所持しているバカラのグラスを貸してくれたのです。それは今では手に入らない貴重なグラスでした。おかげで、おっそろしいほど、きれいでインスタ映えする写真を撮ることができました。本当に感謝しかありません。

こうして、なんとか取材と撮影を終えることができましたが、実は、私の段取りが悪かったせいで、関係者の皆さまにはスムーズな対応ができませんでした。というのは、高橋さんには、最初、会場にお招きしたお客さまの数だけカクテルを作ってもらったのですが、よく考えてみると写真撮影用のカクテルがありません。報道陣に飲んでもらうためのカクテルも用意しなければいけません。気がつく度に、後から後からお願いしたものですから、高橋さんには3度手間になってしまい、報道陣にもお時間を取らせてしまいました。猛省しております。

撮影していただいたVTRは、当日に「KUTVテレビ高知」さんが、翌日には「高知さんさんテレビ」さんと「RKC高知放送」さんが流してくださいました。
個人的にうれしかったのは、施設に入ってる私の母がテレビを見てくれて、「本当によかったね」と喜んでくれたことです。
母は、私に関する新聞記事をいつも切り抜いてくれていますが、今回のオリジナルカクテルの記事についても、高知新聞さんと読売新聞さんの記事を切り抜いて、施設の人に自慢してました。
オリジナルカクテルは、私の長年の夢でしたが、このカクテルは、関わる人みんなを幸せにしてくれるカクテルだなあ、としみじみ思いました。