先日、お客様アンケートを見ていたら、ご宿泊のお客さまから、「注文したら、『売り切れです』と言われました。楽しみにしてきたのに残念です。もう少し商品管理をしっかりしてほしいです」というお叱りの言葉を頂戴しました。
すぐに「どうして売り切れになったの？」と現場に確認したところ、商品自体が売り切れになっていたわけではなく、そのフロアではご提供していない商品だったことがわかりました。
しかし、それもまたおかしな話だと思いました。フロアによってご提供できたり、できなかったりすることはホテル側の都合であり、お客さまのご理解は得られないからです。「どうしてそうしているの？」と聞くと、「前からそう決まっています」ということでした。私が「それおかしいやん。改善しようや」と言うと、１人の社員さんは「はい、わかりました。次からはそうします」と二つ返事で答えました。もう１人の社員さんは「うーーーん」と考え込んでしまいました。
私は、こういうとき本音で話してほしいと思っています。なぜなら、現場の事情を本当にわかっているのは社長ではなく現場だからです。「社長がやれと言ったから・・・」という理由だけで、何でもかんでも「はい、わかりました」と言ってほしくありません。そんなことをしたら、現場が不幸になってしまいます。それは私が最も嫌う「やってはいけない経営」です。
気持ちよく二つ返事を頂けると非常にありがたいですがその反面ご迷惑を掛けている様に感じてなりません　出来ていないのには色々事情や理由が間違いなくあるからです
遠慮なく現場の事情を話してもらえれば、「じゃあ、どうしようかね」「それなら1人担当を増やして対応しようか」というように、現場にそった対策を一緒に考えることができます。そうしないと根本的な解決にはならず、結局何も解決しません。
ですから、社長の提案に対しては、二つ返事ではなく、「それはちょっと」などとたくさん口答えをしていただきたいと思います。もし、二つ返事をするとしたら、それは社員さんではなく、社員さんから提案を受けた社長の方です。