夢実現コース誕生

四国管財の経営理念には、仕事は自分が幸福になるための手段であり、夢を実現するための手段である、と明示しています。
私が社長を受け継いだ当時、社員さんは「他にやりたいことがあるから」「事情があってもっと給料のいいところで働きたいから」など、いろいろな理由を言って、一人、二人と会社を辞めていきました。私は、なんとか思いとどまってもらおうと、必死に引き留めました。しかし、それは会社の都合しか考えていない行為であり、私が目指した「いい会社」の姿ではありません。これで本当にいいのかという疑問が大きく膨らんでいきました。
やがて、「社員さんに喜んでもらい、幸せになってもらうためには、夢に向かって歩みだそうとする人を、自分の都合で引き留めるのではなく、むしろ応援すべきではないのか」と気づきました。そこから大きく方向転換し、胸を張って社員さんの夢を応援する会社にしたのです。ですから、採用面接や新人研修の際にも「仕事は自分が幸せになるための手段であり、夢を実現するための手段に過ぎません。会社のために働かないでください。むしろ会社を踏み台にしてください。他にやりたいことができたら、遠慮なく辞めてもらってもかまいません」などと話していました。

 この「思い」を形にしたのが「夢実現コース」です。これは新卒者向けのもので、会社を辞めることを前提にして入社するコースです。新卒者には、「天職コース」と「夢実現コース」があります。お掃除をずっと続けたい人は「天職コース」を、夢をかなえるまでの3年間ぐらい働きたい人は「夢実現コース」を選びます。両コースの比率は、1対9で、新卒者は圧倒的に「夢実現コース」です。
 ずっとお掃除会社で働きたいという新卒者は、ほぼいません。新卒で入社する人の多くは、歌手になりたい、イラストレーターになりたい、大学へいきたいなどの夢がありながら、家庭の事情などで夢を諦めている人たちです。
それだったら、当社でお金を稼ぎながら次のステージに挑戦すればいいと思い、新卒者向けに、辞めることを前提にして入社する「夢実現コース」をつくったのです。「夢実現コース」で採用する人たちには、「当社は、お金がもらえる専門学校(夢実現専門学校)だよ」と話していました。
夢のある若者に、「四国管財で働いてよかった」と思ってもらえたらありがたいですし、次のステージまでの数年間、仕事をがんばってくれたら当社も大満足です。夢に向かって生き生き働く人が仲間になると、私たちも元気をもらえます。
 
※写真は入社試験時のウエルカムボード