塞翁が馬

2022年度後期 NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」がスタートしました。飛行機へのあこがれを持つ少女が、旅客機のパイロットを志すようになる物語です。
一方、幼少期から大の飛行機好きだった私はというと、社会人になったころから大の飛行機嫌いになってしまいました。
何が一番嫌なのかというと、飛行機の離陸直後です。飛行機は、エンジンをフルスロットルにして機体を上昇させますが、目標の高度に達するとスロットルを絞ります。この時の、エンジン音の変化が怖いのです。エンジンが止まってしまうようで、血の気が引くのを感じます。
折しも、私が社会人になった年の8月12日、東京国際空港発、大阪国際空港行きの日本航空123便が墜落するという大惨事が起こりました。それは私の誕生日の翌日でした。何か運命的なものを感じてしまい、それ以来飛行機に乗るのが怖くなりました。
東京への出張も、飛行機は使わず新幹線で行きました。大阪への出張も岡山まで車で行って、そこから新幹線で行きました。当時、岡山までは瀬戸大橋こそありましたが、それ以外の道が整備されていなかったため、ひどい時で岡山まで片道5時間近くかかったように思います。飛行機に乗れない以上、それが当たり前でした。しかし、何が幸いするかわからないものです。
当時、私は、四国管財をいい会社にするために、いろいろな会社に教えを請いに行っていました。サマンサジャパンさんもその一つです。サマンサジャパンの社長さんの話は、いままで聞いたことがないような話でした。「いったいこれは、どうやって考えたのですか」と尋ねたところ、異業種の経営者勉強会に参加して習ったと教えてくれました。「あなたも異勉強会に参加しなさい」と言われ、日本経営合理化協会の牟田学さんのセミナーに参加することにしました。この勉強会では、講演テープを300本ぐらい購入して、いろいろな経営者について学んだものです。
飛行機に乗れない私は、長距離ドライブの有り余る時間を使って、ひたすら経営者の講演テープを聞き続けました。本を読むのが苦手な私は、飛行機に乗れなかったおかげで、テープを聞くという手法で、実践的な経営学を学ぶことができたのです。
ちなみに、私の読書嫌いと飛行機嫌いは、後に克服できました。読書嫌いについては、友人の司牡丹酒造株式会社の竹村昭彦社長から習ったフォトリーディング(写真を撮るように毎秒約1ページの速さで本を読む手法)で完璧ではありませんが少し克服できました。おかげで、経営者の本でしたら結構速いスピードで読めるようになりました。一方、飛行機嫌いについては、結構大変で、なかなか「舞いあがる」ことはできません。これは別の機会にお話しします。