新聞の訃報欄
私には、メンターの福島正伸先生から教えていただいた「理想の1日」という行動指針があります。これはどういうものかというと、「自己実現」つまり夢や目標に向かって自分自身を成長させていくために、どういう行動をとるべきかを考え、それを実行するという行動指針です。「理想の1日」になるように、起床してから就寝するまでの間の行動を、具体的に決めて実行します。
なぜ、このようなことをするのかというと、無意識でいるとついつい「安楽の欲求」(楽をしたいという欲求)に流されてしまうからです。ですから、私も、自分に少し負荷をかけて「理想の1日」を実践しています。
私の「理想の1日」の中の大事な一つに、新聞の「訃報記事」や「ご不幸広告」に目を通すことがあります。私は高知新聞を購読していますが、「Plus会員」(新聞紙面+電子版)になっているため、通常なら翌朝の新聞で目にする「訃報記事」や「ご不幸広告」を前日の18時に「電子版」で見ることができます。これは私にとって大きなメリットがあります。というのは、お世話になった方の訃報をいち早く入手できれば、お通夜やご葬儀に対する手配がスムーズにできるからです。もし、高知新聞を購読されており、訃報情報を早く入手したいのなら、少し料金はプラスになりますが、「Plus会員」になることも一案だと思います。
さて、毎日、訃報欄を見ていて思うことは、「大変お疲れさまでした」という敬意と、人ごととは思えない寂しさです。私の母は92歳です。80歳台のころとは違い、他人事に思えなくなっています。訃報欄を見ると、母が1日でも長生きしてくれることを願わずにはいられません。
かくいう私も還暦を過ぎ、今年61歳になります。日本人男性の平均寿命は 81.47 年(令和3年簡易生命表)だそうですから、私も二十数余年のうちには間違いなく、向こう側に渡ると思います。個人的には、平均寿命より健康寿命を意識して、1日でも長く健康を維持し、周りに迷惑をかけずに逝けたらいいなあと思っています。
訃報欄を見ていると、ご高齢で亡くなった方だけでなく、働き盛りでお亡くなりになった方の情報も目にします。その時はとても心が痛みます。私の父は、私が中学2年生の時に早世しました。心の支えを失った家族の不安な思いや悲しみは、よくわかります。父が亡くなった際、母は生命保険のおかげで経済的な苦労こそ免れましたが、父の会社を継ぐという決断をしましたので、それ以上の苦労を背負うことになりました。なぜなら、母はそれまで全く経営に携わってこなかったからです。非常にしんどい思いをしました。「女だからというだけでバカにされてたまるか!」という一念でがんばってきたそうです。そのことを、今でも私に話してくれます。
新聞の訃報欄は、見る人によって思うことはそれぞれでしょうが、私にとっては、父が亡くなった時のことや、母が苦労したことを思い出してしまう、非常に思い入れのある情報欄です。