有り得る変更
私は、現在、土佐経済同友会の副代表幹事を拝命していることから、先般、第35回全国経済同友会セミナー長崎大会に参加してきました。コロナ禍もあって、飛行機での旅は本当に久しぶりでした。
この日は所用があったことから、前日の深夜便で大阪国際(伊丹)空港に入り、翌日の朝の便で長崎空港に向かうことにしました。
私は、性格的に何でもギリギリが苦手です。飛行機に搭乗する際も、かなり早めに空港に着くようにしています。私は、学生時代、関西に住んでいました。家に帰る際、普段は節約のためフェリーやJRを使っていましたが、どうしても急いで帰らなければいけないときは、飛行機を使ったことも何回かあります。そのようなときは、絶対に乗り遅れないように、空港には半日前に着くようにしていました。もはや、完全に国際線のノリです。それほど、ギリギリが苦手です。
もっとも、幼い頃から飛行機が大好きでしたので、半日、空港にいても飽きることはありません。小学生の時は、年1回『世界航空機年鑑』を買ってもらい、それに載っている旅客機、戦闘機などを全て丸暗記していたほどです。最近はちょっと勉強不足になっていますが、当時は、形状だけで、どこの国の何という飛行機かすぐわかりました。
さて、私が搭乗する長崎行きの飛行機は、朝9時のフライトでしたが、この日も7時には空港に着いていました。すっかり安心して、搭乗ゲート前のロビーで居眠りしながらマッタリしていましたが、30分前になって異変に気がつきました。なんと、いつの間にか搭乗ゲートが変更になっていたのです。「えーーーっ!」。私はメチャクチャ焦って、空港内を走りました。「こんなの、あり得ない!!!」。
案内板を見ると、私が乗る予定の飛行機は高知発の便だと知りました。この便には、長崎大会に行く仲間が何人か乗っているはずでした。そこで、初めて、今回の「有り得ない」変更が行われた理由がわかりました。車イスを利用する友人が乗っていたのです。ANA(全日本空輸株式会社)は、この友人を見て、お客さまのサポートがしやすいように、ゲートを変更したのです。たった一人のお客さまのために、ゲートを変更するなんて、「有り得ない」どころか「有り得る」(あっても何も差し支えない)対応だったのです。
これには、なんかうれしくなり、さすがのホスピタリティーに感動しました。前日からの移動と空港内で走った疲れなんか吹っ飛んでしまったほどです。