三翠園だけの土佐寿司
4月1日は、高知県立大学(高知女子大学)の名誉教授 松崎淳子先生の令和4年度(第67回)「高知県出版文化賞」受賞記念祝賀会が三翠園で開催され、私も参加させていただきました。受賞作品は、昨年5月30日に出版された『まっことめでたい96歳』(飛鳥出版室)です。私は、直接、松崎先生にお会いするのは初めてで、非常に楽しみにしていました。
松崎先生は、土佐伝統食研究会の代表を務められており、食の文化を非常に大切にされていらっしゃいます。昨年10月16日、『伝えたい!昭和の食卓 高知の味』(飛鳥出版室)も刊行され、こちらも話題になっています。この本は、先生が高知女子大学で43年間、調理学を教えておられた際、調理実習のために手作りした教材(手書きレシピ)を再編集したものです。
最近では、2023年度前期NHK連続テレビ小説「らんまん」の主演 神木隆之介さんが高知に来られた際、松崎先生と一緒に土佐のお寿司を作ったのですが、その時の話が、神木さんの著書『かみきこうち』(NHK出版)に、19ページにもわたって紹介されて、こちらも話題になっています。
松崎先生は、書名にもある通り、96歳です。4月には97歳になられますが、本当にお元気でいらっしゃいます。
下火になったとはいえ、まだコロナ禍でもあり、祝賀会の参加人数は、当初、40人ぐらいだろうと予想していました。ところが、最終的な参加者数は130名にも達し、われわれ三翠園も、こんな大宴会になるとは思ってもみなかったため、うれしい忙しさとなりました。
コロナ禍で、すっかり宴席も個別配膳のコース料理が主流となったこともあって、非常に大変でした。さらに今回は、「サプライズとして、松崎先生のレシピ通りにつくった「土佐寿司」を祝賀会に出したい」という発起人さんの熱い思いをかなえなければなりませんでした。このため、この日は菊池総料理長、西村料理長、調理場の全員が、総力戦でお料理をつくらせていただきました。
4月1日は、当社の入社式の日でもあります。入社式は10時からですが、祝賀記念会は12時スタートのため、菊池総料理長と西村料理長は、料理に専念していただくことにしました。調理場を見に行くと、やはり全員てんてこ舞いで、とても入社式に出席できる状態ではありませんでした。
さて、こうして皆でつくった「土佐寿司」ですが、出てきたお寿司を見て、会場が大騒ぎになりました。「これって松崎先生の味や!」。それくらい見事に先生の「土佐寿司」が再現されていました。私まで、皆さんに感謝されてしまい、めちゃくちゃうれしくなりました。菊池総料理長がお世話になったRKC調理製菓専門学校の三谷先生も大喜びで、調理場までお礼に来られました。
ありがたいことに、「料理は伝承していくことが大事」ということで、「三翠園は、先生のレシピを名乗って商品化してもいい」という許可までいただきました。
今後、三翠園の強みの一つとして、松崎先生の「土佐寿司」を商品化してまいります。このお寿司は、本物の高知を感じることができるおいしいお寿司ですから、ぜひ皆さんも三翠園で召し上がってみてください。
この日も、いろいろな方に感謝した1日となりました。